圏とloopingオペレータのまとめ
対角自然(dinatural)で対角性(diagonal property;ダブルダガー公式)を持つ不動点をConwayオペレータ、Conwayオペレータを持つ圏をConway圏と呼ぶ。同様に、適当な公理(Cazanescu/Stefanescu;カザネスク/ステファネスク)を満たすElgotオペレータを持つ圏をElgot圏と呼ぶ(Elgotオートマトンの圏はおそらくElgot圏だろう)。
Kleeneスターを持つ双デカルト圏をKleene圏と呼んでしまうのは、既存のKleene圏の定義(Kahl/木下)があるからまずいので、概Kleene圏としておく。
以上の用語法でまとめると:
圏の名称 | ベースとなる圏 | loopingオペレータ | スカラー代数 |
---|---|---|---|
Conway圏 | デカルト・モノイド圏 | Conwayダガー、不動点 | Conway代数 |
Elgot圏 | 余デカルト・モノイド圏 | Elgotダガー、反復 | ? |
概Kleene圏 | 双デカルト・モノイド圏 | Kleeneスター、繰り返し | Kleene代数 |
ベクトル空間とテンソル積の圏は、このどれとも違うし、コンパクト閉圏(内積が入ればダガー・コンパクト閉圏)になっている。
形式言語理論(as 0+1次元 xQFT)が値をとる圏は、おそらく“トレース付きベキ等デカルト・モノイド圏”ということだろう。双デカルトになっていれば行列計算ができる。あとは、文字列のreverse、関係のconverse、極性(あるいは荷電)との関係とかが問題だな。
KleeneQFTと呼ぶべきものは、余デカルト・モノイダルなトレース付き二圏(0+1コボルディズム圏)を定義域として、デカルト・モノイダルなトレース付き圏に値をとると思われる。値が双デカルトなら行列計算ができるし、さらに条件があれば、行列の共役も取れる(ダガー・コンパクト閉圏に似た状況)のだろう。