何が覆されたのか/維持されるか
- 人類全体(の知的能力)を何個かのコンピュータだと考える。
- 命題は超越的には真偽が定まっている。
- そのとき、真と偽をそれぞれ目標にした集団を2台のコンピュータのように考える。
- 歴史的な時間スケールで見れば、どちらかの集団が命題の証明を発見するだろう。
この期待感が覆された。つまり、
- どちらの集団も永久に命題の証明を発見できない事態も起こり得る。
あるいは、
- 超越的には真偽が決まる命題で、アルゴリズム的には肯定または否定の値を出す計算が不可能な命題が存在する。
逆に覆されない、維持されるもの。
- 超越機械は命題の真偽決定が常に瞬時にできる。
- 超越機械は妥当な判断をする。
態度として、次は維持される。
- 超越的かつ楽観的:超越機械で考える。超越機械の概念的存在は信じる。懐疑的・虚無的にならない。不可知論に陥らない。
- インフォーマルかつ個人的:コミュニケーション手段を完全にフォーマライズはできないし、する必要もない。証明は納得・確信の手段だが、納得・確信する主体は各個人である。
オールドドグマの一番目「理想機械は超越機械と同等」は否定される。仮にオールドドグマの二番目「人間は理想機械を超えられない」を認めると、「人間は超越機械に及ばない」が出てくるが、これは「できると思っていたが無理だった」の事例になるだけ。
事例:
- 錬金術
- 不老不死
- 瞬間移動
維持されるものと言えば:
- 古典二値論理
- 集合論
つまり、極めて保守的かつ伝統的。伝統的道具に対しては完全に楽観的信頼をおいていて、懐疑的でも虚無的でもない!