デカルト無限タワーの記述
僕が見た範囲では、デカルト構造のキチンとした循環定義は公開されてないようです。内容的には“当たり前のことの再確認”なので、誰もやりたがらない作業なのかな? できれば、デカルト構造の全貌(=無限タワーの総体)を晒したいと思っています。
これをやるには、やっぱり相当に記法を工夫しないといかん。絵算使わないと無理があるのに、最終的にはテキストによる等式的仕様にしないといかん、というジレンマもある。以下、思いつきと記録(メモ)をバラバラと。
各種結合、格上げ
結合記号に関しては、
添字記法 | 平坦記法 | 通常記法 | 名称 |
---|---|---|---|
#10 in 1-cat | #[1/0@1] | ; | 結合 |
#10 in 2-cat | #[1/0@2] | * | 結合 |
#21 in 2-cat | #[2/1@2] | ; | 縦結合 |
#20 in 2-cat | #[2/0@2] | * | 横結合 |
#2,10 in 2-cat | #[2,1/0@2] | * | ヒゲ結合 |
#1,20 in 2-cat | #[1,2/0@2] | * | ヒゲ結合 |
[追記]
Catのなかで直積も考えると:
射の次元 | 直積(境界-1) | 結合(境界0) | 結合(境界1) |
---|---|---|---|
0 | ×=#0-1 | ||
1 | ×=#1-1 | ; = #10 | |
2 | ×=#2-1 | * = #20 | ; = #21 |
ヒゲ結合は
- A×f = A #0,1-1 f = A^×f
- A;f = A #0,10 f = A^;f
- f×α = f #1,2-1 α = f^×α
- f*α = f #1,20 α = f^*α
- f;α = f #1,21 α = f^;α
[/追記]
格上げ(あるいは抽出)は基本操作だから、(-)~ または (-)~ で書く。a:1→C in CAT に対しては、aからCの対象が決まるのだけど、これは格上げの逆操作になる。どう書けばいいかな。a~ かな、たぶん視認性が悪い。a! にすっか。終射 !A とか f! もあるが、多少のダブリはしょうがない。
- A~! = A in C
- a!~ = a in CAT
これをチルダ・バン〈tilde-bang〉記法とすると、モノイドやモノイド圏の指標 補足解説 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 のダッシュ記法(手書きではオーバーライン記法)との整合性が問題になる。
- i:1→C in CAT
i!がCの単位対象になるから、
- (i!)' = 1
i! を 1 と書いているなら、
- i:1'→C in CAT
- i! = 1
- (i!)' = 1'
- 1' = dom(1~)
さらに、
- Y = (×) :C×'C→C in CAT
- i:1'→C in CAT
とかも、2-CAT のなかに格上げ(抽出、引っ張り上げ)できるはず。
格上げの一般論では、おそらく
- n-圏Cのk-射は、Cの外の圏(環境=アンビエント)のk-変換手〈k-transfor〉に格上げできる。特に、Cの対象=0-射は、環境の関手=0-変換手となる。
例えば、
- Catの対象である圏は、環境2-CATの関手、つまり2-関手に格上げされる。
- Catの射である関手は、環境2-CATの1-変換手、つまり2-自然変換=疑自然変換に格上げされる。
- Catの2-射である自然変換は、環境2-CATの2-変換手、つまり変更に格上げされる。
格上げは、n-圏の内在構造〈閉じ込められた構成素達〉を、環境(n+1)-圏に外在化させる。この構成は、環境内にポインティング錐体を作ることになる。
あー、やっぱり変換手の一般論が必要だなー。変換手がないと、格上げも出来ない。
ところで、!演算子は格下げだが、格下げは何というか? demote だろうが、bump up と対にはなりにくいな、ナントカdownがないかな。up-grade, down-grade のペアか。promote, demoteが無難か。
マックレーン五角形/三角形 法則
上記記事より、
- penta ::: YII*α ; IIY*α = αI*Y ; IYI*α ; Iα*Y
- tri ::: IiI*α = ρI*Y ; Iλ*Y
これを精密化する。
五角形等式の左辺 YII*α ; IIY*α は次のように書ける。自然変換の下付き添字は山形括弧で書いてる。
[((Y×'I)×'I)#α] # [α'<U×'U,U,U>#(I×'Y)] # [(I×'I)×'(I×'I)#τ'<Y,Y>] # [(I×'I)×'Y#α] :: ((Y×'I)×'I)#(Y×'I)#Y ⇒ (I×(I×Y))#(I×Y)#Y
#は色々なバリエーションがあるんで、オペランドの型から“型推論”しないとどの結合かが分からない。Yは当該圏の直積 Y = (×) で、×'は環境の直積。τ'
五角形等式の右辺のほうのテキスト記述で詰まった。次の図の疑問符部分の射(変形)をテキストでどう書くか分からなくなった。下側は、参考のために単なる結合律子。
結合律子(等式も含める)とは、複数アイテムのリグルーピング(regrouping)操作。そのリグルーピング操作に名前を付けて明示的な対象物としてメタ操作したい。リグルーピング操作の全体は、亜群になるから、亜群の射を扱う。この亜群がいくらでも次元が上がるからまた無限タワー。
式(ツリーや入れ子図)は値ではないが、それ自身が操作対象という意味では“値”と言える。値と式のメタ・タワー構造。式から値を得る評価があると、そこにはモナドが発生する。
ともかく、もっと良い記法/図法/計算法が必要。