微分計算
日本語 | 英語短縮形 | もっと短く |
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なめらかな関数 | SmthFun | C∞, Ω1 |
ベクトル場 | VectFld | Ξ |
微分作用素 | DiffOpr | Ξ |
微分形式 | DiffFrm | Ω1 |
外微分の基本公式
- d(fx) = Σ(Di[f]・dxi) = Σ(f;i・dxi)
ここで、xは座標写像で、xiは座標成分関数。ナカグロは、微分形式と関数の掛け算。
外微分(あるいは全微分)の基本公式を満たすような d:C∞M(U)→A(U) を備えたC∞加群層のなかで普遍的なもの(終・始対象)。マリオスの言葉を使えば、(C∞M(U), d, A(U) | U∈Open(M))は微分三つ組の層をなす。普遍的な微分三つ組により、余接ベクトル層=余接加群層が定義される。
φ:M⊇U→Rn がチャートのとき、φ*:C∞(A)→C∞(U) を関数の引き戻しとする。φ← はチャートの反転とすると、(φ←)*が定義できて、
- (φ←)* = (φ*)-1
φ←をφ-1と書いてしまえば、
- (φ-1)* = (φ*)-1
φ-1* という書き方をする。この書き方で、X∈DiffOpr(A) のとき、Xφ∈DiffOprM(U) を次のように定義する。
- Xφ := φ*Xφ-1*
こう定義すると、次の変換公式が成立する。
- Xφ[f] = φ*(X[φ-1*(f)])
これが、Diと(Di)φ の同一視の原理になる。
外微分の基本公式の拡張として、
- d(fx) = (J[f]x)・Δx
Δx は、dxiを縦に並べたタプルで、余接加群層=余接ベクトル層のフレームになる。Δxの双対フレームを∇xと書き、接加群層=接ベクトル層のフレームとなる。定義から、チャートxに対して、Δxと∇xは双対フレームになる。
- ∇x・Δx = δ
任意のチャートxに対して、偏微分作用素Dix、ナブラ∇x、余ナブラΔxが定義できて、しかるべき双対性公式を満たす。
用語:
多様体上の微分作用素加群=ベクトル場加群が局所的に有限生成自由加群で、そのフレームを座標(チャート)xのナブラが与える。ナブラは加群のフレーム。微分作用素加群の双対加群における、ナブラの双対フレームがコナブラ(余ナブラ)で、これは座標関数の微分の縦列で与えられる。
微分作用素加群の双対加群とは、1次の微分形式加群。コナブラは微分形式加群のフレーム。
座標変換写像〈transition map〉のヤコビ行列は次の目的で使われる。
- xのナブラとyのナブラの相互変換
- xのコナブラとyのコナブラの相互変換
- xによる接ベクトル場の成分表示(縦)からyによる接ベクトル場の成分表示(縦)の相互変換
- xによる微分形式の成分表示(横)からyによる微分形式の成分表示(横)の相互変換
- ベクトルとコベクトルのあいだのペアリング2次形式(複線形関数)の成分表示
微分作用素の列=フレーム (Xi)に対して、関数列fiが次を満たすとき、プレ双対関数列と呼ぶ。
- Xi[fj] = δji
三つ組ラベリング〈triad labeling〉は、同じラベル集合により、
に対して名前付けすること。sが単純ラベルのとき
- Ds
- s
- ds
または、xが語幹、αがインデックスのとき、(xα, xαがラベル)
- Dxα
- xα
- dxα
これが標準ネーミングコンベンション。
上記の微分作用素/射影関数/微分形式の構文と解釈の可能性は:
\ | 単純ラベル | 上付き添字ラベル | 下付き添字ラベル |
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変数解釈 | 1 | 2 | 3 |
関数解釈 | 4 | 5 | 6 |