左右の区別、商と剰余とか、もうサイテー
HがGの部分群のとき、y-1x∈H で定義される同値関係を左同値と呼ぶようだ。左同値関係の同値類を左コセットと呼ぶ。
ところが、左コセットは右作用の軌道なのだ。H左コセットをH[x]と書くと:
- H[x] = xH
なぜなら:y∈H[x] ⇔ x H〜 y ⇔ x-1y∈H ⇔ y∈xH 。最後は両辺にxを掛けている。
xHは、右作用によるコセットだから、右コセットと呼びたいが、同値関係の左右との不整合でそうは呼べない。ウーム。ウーム。なんてこったい。
結局、コセットと軌道を区別して:
- コセットは左右の同値関係に基づく同値類のことである。
- 軌道は作用に基づく部分集合である。
ホントかなー? そんな区別してるかなー?
それと、コセットの訳語が剰余類なのもどうなのか? 「剰余」は使わないほうがいいのではないか、剰余環(factor ring)と商環(quotient ring)が同じってナンナノヨ。residue class ringってのもあるし。factorもresidueも剰余? 普通はfactorは因子でしょ。しかし、因子というとフォン・ノイマン環の用語になってしまう。
英語 | 日本語 |
---|---|
quotient | 商 |
factor | 剰余, 因子 |
residue | 剰余, 余り |
remainder | 剰余, 余り |
形容詞としての商、剰余、剰余類、因子(直訳)が同じってことになる。ほんとサイテー。対策としては:
- 商を使い、商と同義の剰余、因子は使わない。
- residueは使わない。
- 余り、剰余はremainderを使う。
あーそれと、分数環、局所化の意味で商環を使うことがあったのだーー。剰余算については、residue、factor以外にmoduloって呼び名もあった。モジュロだのモジュラーは混乱する用語だし→modular, module, moduli, modulus, modulo - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 次も参照。
統計で残差と誤差が違うとかもあったな。残基なんて言葉もある。アアアアアアー、なんなんだ、もう。
「じょうよ」って漢字で「剰余」、乗算、乗法の乗じゃなくてツクリに「リ」がある。僕は人生の大半において手書きで「乗余」と書いてきた。ガーン。
[追記]
https://groupprops.subwiki.org/wiki/Left_coset_of_a_subgroup に、Gの部分群Hの左コセットの定義として、
- S is one of the orbits in under the right action of H.
右作用の軌道という定義がある。やっぱり、左コセットは右軌道とせざるを得ないか。
[/追記]
[さらに追記]後で次のような単語を調べるか。
- remainder
- residue (class)
- coset
- modular XXX
- unimodular XXX
[/さらに追記]