このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

確率論入門の講義動画

OCW Tsukubaの講義動画「2014年度 確率論 Chapter2 確率変数と分布関数」(講師:稲垣敏之氏)を見た。

話や板書はウマイなー。その他感想。

  1. 「確率変数」はよくある曖昧な定義の後で、関数であることをちゃんと注意している。
  2. 測度は出さないが、代わりに「事象の全体」という概念でσ代数を示唆している。
  3. σ代数が一般にはベキ集合とは異なることもそれとなく注意している。
  4. 区間の逆像が事象の代数(測度のσ代数)に入ることで確率変数の条件を定義している。
  5. 区間のタイプが9種類あるが、x ≦ a だけ考えれば十分だと言っている(ただし、証明は後回し)
  6. ここらへんは、Rのボレル代数に関する性質。
  7. 確率変数Xの分布関数 F = FX を、F(b) = P{X≦b} として定義。
  8. 事例は離散分布で、分布関数Fは階段関数になる。ギャップの部分で確率が増える。
  9. 事例は、白玉3, 赤玉2の非復元2回抽出。標本空間は20個の要素。白玉個数が確率変数。
  10. コイン投げ(二項分布)で、はじめて表が出るまでの階数Nを確率変数として扱っている。
  11. 上記の例で、無限級数の和が1になることを証明。面白い。
  12. 離散型確率変数に対して、pmf = probability mass function を導入している。
  13. pmfは分かりにくいと思う。形式的凸結合=可算自由凸空間のほうがいいと思う。
  14. Cdfは累積分布関数のこと。Cだけ何故か大文字。
  15. pfmとCdfの関係を使って、積分なしでディラック密度の積分の説明をしている。

納得感のある良い講義でした。