ドクトリンとコンピュータッドの融合
代数系の種類という意味でドクトリンを使うとして、ドクトリンの事例には次のようなものがある。
これらのドクトリン(種類)が定義する(あるいは、ドクトリンに属する)代数系(モノ)の全体は圏をなすが、その圏をドクトリンの外延圏、または単に外延と呼ぶ。
- Mon
- Grp
- MonCat
- SymmMonCat
- BrMonCat
- Str2Cat
外延圏の次元を、もとのドクトリンの次元とする。mon, grpは1-ドクトリン、catは2-ドクトリン、mon-cat, symm-mon-cat, br-mon-catは2-ドクトリンだが、3-ドクトリンの特殊なものともみなせる。str-2-catは3-ドクトリンになる。
ドクトリンには、そのドクトリン固有の箙と指標の概念がある。また、ドクトリンの下位ドクトリンの集合があり、その下位ドクトリン達は階層化(順序構造に編成)されている。箙や指標の概念は、下位ドクトリンの階層構造に沿って(帰納的に)定義される。
ドクトリンは単独で存在するものではなくて、下位ドクトリンの階層構造と共に在る。ドクトリン階層(doctorine hierarchy)は、ドクトリンをノードとする非循環的有向グラフになるが、グラフ辺には自由生成・忘却-対による随伴関係が割当てられる。
下位ドクトリン階層が線形のとき、指標は (Σ0, Σ1, ..., Σn)のような列になる。0≦k≦n のkまでで打ち切ったとき、それは下位ドクトリンのk-指標になる。
下位ドクトリン階層が非線形で入り組んでいるとき、どんな定式化が可能だろう? 忘却関手(台関手)という概念がキーになるだろう。
箙と指標、自由生成と忘却を扱うには、コンピュータッドを使うことになるだろう。コンピュータッドは、生成系・関係系の理論(=シジジー(syzygy)理論)の圏論版だ。論理の高次圏論による定式化にもコンピュータッドは必須だと思う。むしろ、論理の(高次)圏論化に過程でコンピュータッドの使い方が分かるのだろう。