貼り合わせ構造と自己貼り合わせ
ウォーカーのTQFT教科書(http://canyon23.net/math/tc.pdf)から。
幾何的貼り合わせスキームとは、
- 空間X
- 空間BX
- 埋め込みβinX, βoutX:BX→X
の組で、X = (BX, βinX, βoutX) と略記する。条件が色々あるが、とりあえずXやBXは向き付きコンパクト多様体で、埋め込みは境界の部分多様体になるもので、βinは向きを逆転するとする。
Xが貼り合わせスキームのとき、貼り合わせ操作 gl:X|→gl(X) が定義できる。これは、Xの境界の一部を同一視して、縫い合わせる(ソーイングともいう)こと。結果として、境界は減る。
貼り合わせ操作はけっこう強力で、多圏の多結合とトレースに匹敵する。つまり、トレース付き多圏をシミュレーションできる。
だが、貼り合わせ構造全体の定義は難しくて、次の概念が必要だ。
- グレード付け(次元に相当)
- 対合(向きの逆転)
- 直和
- 境界の概念
- 埋め込みの概念
- バンプアップ(柱体構成や、錐体構成)の概念
- 基本セル=球体
- セル複体
特にグレード付けとセル複体の概念が難しい。複体を作るにはセルが必要で、セルには形状と形状に応じた組み合わせ構造がいる。形状が球体(ニ面体)ならいいが、それ以外では難しくなる。一般的には、任意の多面体を基本セルとした貼り合わせから得られる複体だろう、めんどくさい。