このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

Isar statement formatとローカル&グローバルはコンテキスト

isar-refのp.46に書いてある話。

コンテキストとは、処理系が持っている定理&ルールのデータベースのことだとする。このコンテキストが見えないことがわかりにくさの大きな原因だ。さらに、コンテキストは入れ子になる。

Isarでは、コンテキストを可視化するためにassumes/shows構文を使っている。これで明示されるのは単一の定理(の候補である命題)をリーズニングする過程で使うローカルコンテキストだけ。定理の外にあるグローバルなコンテキストは暗黙のまま。

ともかく、ローカルコンテキストであっても明示できる(可視化できる)のは大きなメリット:

  • assumes Γ shows φ が、メタな判断 Γ |- φ に対応する
  • リーズニングの最中には、これは判断ではなくて問題だから Γ ?- φ と解釈される。

問題文が提示され、リーズニングが成功すると、問題文に対応する判断文が主張され、それが受理される。問題文の提示が処理系との対話のなかで「状況として」なされる。このときのコンテキストも明らかではない。だから、分かりにくい。

提示と受理を表すためにモード(セオリーモード、証明モード)や証明責務とその履行(discharge)の概念があるのだろう。

  • 問題文の提示が、処理系が問題状況(モード)に入ることにより表現される
  • 問題の解決過程はリーズニングとなる。
  • リーズニングの成果物は証明オブジェクト。
  • 証明オブジェクトは機械的な検証が可能。
  • 検証が通ると、問題文は判断主張文となる。
  • 判断主張文が受理されると、処理系のグローバルコンテキストが変わる。