忘却関手が記憶している!
モノイドと加群 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編の「忘却関手が記憶している!」というキャッチフレーズは面白い。
U:A→Cが忘却関手のとき、Aに含まれる情報の一部はUの像である圏 U(A)⊆C では落ちている。その落ち方、忘却のメカニズムの情報・知識はUの構造にエンコードされているはず。UがAからU(A)で落ちた情報の差分(格差)を持っている。非常に大雑把に書くと:
- A - U(A) = U
- U(A) + U = A
忘れた結果であるU(A)だけでは、不可逆的な情報の欠損が生じているが、その失われた情報はFに載って刷り込まれているので、情報の総体は変わらない。これは「系全体としては忘却できない」ということではないだろうか。