並列処理、時間の空間、マンダラ
「並列処理」で述べた話に関係する。
↑で「時間の空間」という変な日本語を導入した。それ以来「変な言葉」と後ろめたく思いながらも使い付けている。
「時間シェープ」という言葉も導入したが、「時間の空間」のほうがシックリくる。結局、「時間シェープ/時間の空間」の両方を使い続ける気がする。
時間の空間(=時間シェープ)は、時間パラメータを表現する幾何学的な対象だ。連続的図形よりむしろ離散的な図形を考えることが多い(デジタルな時間シェープ)。Tがとある時間シェープ、Sは状態遷移系だとして、実行の全体は Run(T, S) と書ける。この Run(T, S) を正確に記述することが大きな目標になる。
Run(T, S) がなんらかの圏のホムセット(むしろホム対象)となってくれるとうれしい。そうであるためには、時間シェープの圏Tが、状態遷移系の圏Sの部分圏になるような定式化が必要だ。圏論的に T⊆C 。
TとSが全然別な圏と考える定式化もある。例えば、コボルディズム圏Cobとベクトル空間(ヒルベルト空間が多いが)の圏Vectを使って(拡張)TQFTを定式化するのと類似の方法だ。
いずれにしても、Run(T, S) は構造を持ち、その構造はホモトピー的なものだろうと思う。アルファベットの集合にも、グラフ的/ホモトピー的な構造が必要なのだと思う。
これらのことを考えるとき注意すべきは、過剰な単純化はしないことだ。複雑な対象は複雑なのだ。このへんのところは、「マンダラ」という言葉でスローガンにしている。
- 現象のモデルはマンダラ
- 「マンダラ」で検索: http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/searchdiary?word=%A5%DE%A5%F3%A5%C0%A5%E9
複雑なものを扱うのはホントに疲れる。単純化したくなるし、実際に単純化が有効なこともあるが、なにかが抜け落ちてしまうケースもある。難しい。