双対、随伴、転置、左右
右と左 n-たび セリンガーの左右 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編に書いたようなことを再び。
バカキリ本以外に、絵算が載っている本としてK-L本(カーラー/リュウバシェンコ)、それとShahn Majidの「量子群プライマー」ってのを持っている。
K-L本の219ページとQGプライマーの70ページの定義を比べてみる。この2冊では、右とか左とかは使わない。単に dual という言葉を使っているだけ。モノイド積は単にカンマで並べるだけで書く、そのほうが絵算に近い。
K-L本:
- ev : X, X∨ → 1
- ev' : ∨X, X → 1
- coev : 1 → X∨, X
- coev' : 1 → X, ∨X
QGプライマー:
- ev : V*, V → 1
- coev : 1 → V, V*
K-L本の射の双対は左右の転置、ただし左右という言葉は使わないで記号だけ:
- ft : Y∨ → X∨
- tf : ∨Y → ∨X
QGプライマーでは、随伴(adjoint)と呼んでる:
- f* : W* → V*
後で、白旗さん、バカキリ、セリンガーと一緒にして表にしようかな。
表にしてみた。
- "A sequent calculus for compact closed categories" -- http://www.fbc.keio.ac.jp/~sirahata/Research/cmll.pdf
- "A survey of graphical languages for monoidal categories" -- http://www.mscs.dal.ca/~selinger/papers/graphical.pdf
- | 双対対象 | 呼び名 | evの域 | 双対射 | 呼び名 |
---|---|---|---|---|---|
白旗 | A* | Aの左随伴 | A*,A | - | - |
バカキリ | A* | Aの右双対 | A*,A | f* | fの双対 |
セリンガー | A* | Aの右双対 | A,A* | f* | fの随伴メイト |
K-L | A∨ | なし | A,A∨ | ft | なし |
プライマー | A* | 双対 | A*,A | f* | 随伴 |
K-Lでは、∨A と tf も導入する。言葉としては、左右も双対も随伴もあえて使わないという方式。