マスロフのプランク定数と標数1の代数
k = 1/h として、マスロフ和の定義は:
- x [+]k y = (xk + yk)1/k
もちろん、
- x [+]k y = (x1/h + y1/h)h
となる。マスロフのプランク定数hよりは、その逆数のほうが(僕は)どうも扱いやすいので、kを使う。とりあえず次の事実がある。
- k = 1 でマスロフ和は普通の和
- k→ +∞で、マスロフ和はmaxになる。
- k→ -∞で、マスロフ和はminになる。
- k = 0 でマスロフ和は定義できない。
k = 0 に近づく方向として、k→ +0 と k→ -0 があるが、0ではないxを固定して、xε (ε≒0)は、符号の影響を受けなくて xε ≒ 1 となる。εの絶対値が小さい時は、εの逆数の近似値を(絶対値が)巨大な整数Nだとして、共に0ではないx, yに対して:
- x [+]ε y ≒ (1 + 1)N = 2N
つまり、
- ε>0 ならば、x [+]ε y ≒ ∞
- ε<0 ならば、
x [+]ε y ≒ 1
プランク定数hに戻れば、
- h→ +∞ でマスロフ和は発散する。
- h→ -∞ でマスロフ和は自明化する。
(x≠0, y≠0 なら、x + y = 1)
k = 0 の付近で、kが正負の両方の場合を考慮して0-マスロフ和を定義することは本質的にできない。不定となる。コンヌがF1での和は「0/0 みたいな不定」と言ったのはこんな事情かもしれない。