標数1の代数の圏、掛け算から足し算
コンヌとか黒川さんが、「標数1」とか言っている。標数が1の体を生真面目・杓子定規に考えれば自明。「いったい何を言ってんだろう??」と不思議でしょうがなかった。あんまり不思議なんで興味が湧かなかったよ。
生真面目・杓子定規に考えてはダメで、半体(semi-field)とか半環(semi-ring)の圏で考えるのだ。Field ⊆ SemiField ⊆ SemiRing だから、標数pの体に関しては、Fieldp ⊆ SemiFieldp ⊆ SemiRingp 。SemiRing1 とかなら自明にならない。
体の単元(0以外)の群の代わりに、半環の乗法モノイドとかを考える。 0 = 1 だと0を除くと1もなくなるので、モノイドにもならなくなるが、別にそれならそれでかまわん、と。引き算もできないが、それもかまわん、と。
そもそも、モノを集合と要素で考えている限りダメそうだ。モノに要素が全然ないとか1個しかないというのは、集合圏で点の集合をみてるだけだから、それでモノが空だとか単元だとか断言はできない。外延的点の双対側で、基礎体Kと座標環Rで考えると、R→K が点で、Kを変えれば点のあるなしも変わる。体Kと環Rを半体/半環にまで一般化すると、今まで点をもたないと思っていた対象物にも点が見つかるかもしれない。
それはそうと、コンヌが掛け算から足し算を作る方法をすごく丁寧(馬鹿丁寧と言えるほど)に書いていて、基点つき集合Xに群Gが作用しているとき、s:X→X がサクセッサらしきものである条件は:
- sは全単射
- s(x-1・y・x) = x-1・s(y)・x
- s(0) ≠ 0 (0は前もって特定されている基点)
だいたい、x + y := x・s(x-1・y) のように定義する。
あーそうそう(と脈絡がメチャクチャだが)、次のものは標数1だ。
- 0以上の実数の、max-plus代数
- 0以化の実数の、min-plus代数
- 1以上の実数の、max-times代数
- 1以下の正実数の、min-times代数