このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

最小作用の原理、変分原理

区別/使い分けがわからない - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編にて:

ハミルトンの原理と最小作用の原理って同じようだが?

準備: s = s(t)(t = t0からt1)を運動のパラメータ表示とする(配位空間を動く)。(s, s')(s' = ds/dt)は相空間上での軌道(相軌道)となる。必要に応じて、sを相空間に持ち上げて考える。接ベクトルds/dtをVとしてv = |V|。

最小作用の原理は、解析力学と幾何光学に渡る一般原理だと思ってよいだろう(若干の拡大解釈をしてるが)。相空間または配位空間に微分形式ωがって、ωを軌道(相軌道かもしれない)sにそって積分した∫(s; ω) を、sに対する汎関数I[s]と考え、I[s]の停留条件を法則とすることが最小作用の原理

力学的なエネルギーKから、Kdt = (1/2)mv2dt = (1/2)mv(ds/dt)dt = (1/2)mvds をωとして、∫(s; ω) = ∫(s; Kdt) を使い、δI[s] = δ∫(s; Kdt) = 0 を法則とするのがモーペルチュイの最小作用原理

ラグランジュ関数L = L(q, q', t)から、ω = Ldt として、∫(s; ω) = ∫(s; Ldt) を使い、δI[s] = δ∫(s; Ldt) = 0 を法則とするのがハミルトンの最小作用原理

屈折率分布n = n(x, y, z)から、ω=ndsとして、∫(s; ω) = ∫(s; nds) を使い、δI[s] = δ∫(s; ndt) = 0 を法則とするのがフェルマーの原理

ハミルトンの原理で出てくるラグランジュ関数の積分は、作用積分またはハミルトンの積分と呼ばれる。なぜか、ラグランジュ積分じゃない。作用積分=ハミルトン積分の時間微分 dI/dt(偏微分)がハミルトン関数。ラグランジュ関数を経由せずにハミルトン関数から出発しても力学はできる。

変分原理は、なんらかの法則が変分の停留点で与えられるっていうスタイル。これは、最短経路のような最適経路、あるいは石けん膜のようなものが自然のなかで実現する、という信仰とも解釈できる。