ケリーの可換性定理
λI = ρIから、ケリーによる「End(I)が可換モノイド」という素敵な結果が導ける。
λもρも自然変換なので自然性から、f = λA-1;(I×f);λB, g = ρA-1;(g×I);ρBが出る。
ここでA = B = I と置くと、λI = ρI なので、λI = ρI = s として、
- f = s-1;(I×f);s
- g = s-1;(g×I);s
- f;g = [s-1;(I×f);s];[s-1;(g×I);s] = s-1;(I×f);(g×I);s
- g;f = [s-1;(g×I);s];[s-1;(I×f);s] = s-1;(g×I);(I×f);s
ところが、(I×f);(g×I) = (I;g)×(f;I) = g×f、(g×I);(I×f) = (g;I)×(I;f) = g×f なので、f;g = g;f = s-1;(g×f);s 。
この事実は、アブラムスキー/クックの抽象スカラー概念の基礎。
k-テンソル圏で、End(X) = k であるXを単純と呼ぶことにも注意。