このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

園児の量子力学! ですかぁ

ワッハー、これはスゲー。

アブラムスキーと一緒に、Categorical Quantum Mechanicsを作っているBob Coeckeの最近のlecture notes。

僕もお絵描き圏論という記事を書いたが、Coeckeのlecture notesは、それを数千倍グレードアップしたようなもんだ。

檜山:

コンパクト閉圏は本質的にやさしいものなのだ。小学3、4年生なら、計算のルールを理解できるし、実際の計算も遂行できるだろう。その計算とは、「図形ゲームに過ぎない」のだから。

Coecke:

The whole point about these notes is the graphical calculus which could be taught in kindergarten.

小学生じゃなくて幼稚園児ですか、そうですか。絵もきれいに描かれているので、これなら確かに子供が喜びそうな感じだ。

絵に関する工夫で感心したのは(でも僕は使わないだろうが)、射を下から上に描いているところ。Y座標が下から上だからさほどに不自然ではない。それでいて、上から下に読み下すと逆diagrammatic order(古典記法)になる。Coeckeが古典記法にこだわるのは、ディラックのブラケット記法と整合させるため。v;fを、f・v = f|v> と書きたいわけ。|v>(ケット)は下がとがった三角形で描くことになる。

ひとつ、どうもゲセネーのは、ヤンキングだけが公理だと言っているのだが、ヤンキング→ジグザグ恒等式のところで、ηA* = ηAA,A*(ねじり公式)を使っていると思うんだけど、ねじりがヤンキングから出るとは思えないのだけど、、、Samson Abramsky の"Abstract Scalars, Loops, and Free Traced and Strongly Compact Closed Categories"(http://web.comlab.ox.ac.uk/oucl/work/samson.abramsky/calco05.pdf)を読んでみよう。


その他、これで探せる。