このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

分配律のハナシ

"A Basic Distributive Law"をザッと眺めたが、一割くらいしか分からない(一割は分かったから良かった、と考えるが)。その一割分の知識:

2つのモナドD, Uがあるとき、その関手としての結合DU(U;D)が再びモナドになることは多い。例えば、列を作る関手Listとベキ集合関手PowをつないでPow(List(-))を作ると言語関手ができるが、ListもPowもPow(List(-))もみんなモナドになっている。この現象の背後にある仕掛けは結局、分配律(を定義する自然変換)UD→DUの存在なのだ。

分配律変換の公理化はBeckが60年代(フッルーイ!)にやっていて、比較的分かりやすい可換図式で表現できる。この変換UD→DUとDU上のモナド構造が1:1対応することが大昔から知られていたのか、、、はぁー(ため息)。モナドのKleisli圏やE-M(Eilenberg MacLane)圏への持ち上げも同様に議論できるようだ(要確認だが)。

CにモナドD, Uがあるとき、DのKleisli圏CD上でUを考えたいことがしばしばあるから、その判定条件が分配律変換の存在であると分かって、まーよかった。

それと、Kleisli構成だけじゃなくて、E-M構成も一緒に考えたほうがよさそうだ、という気がしてきたわ。