このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

誰が何言っているか、と、何がどこまで分かったか

状況証拠で結ばれた複数のことが、完全には繋がらないで中途半端な感じ。繋ぎたい、繋ぎたい、繋ぎたい。 時系列にはしばられずに、その状況を総括しておく。人名はなるべくカタカナ書きする。でも、今日はダルイから、途中までで止めるけど。

マーク W. ホプキンス(http://web.archive.org/web/20040607231626/www.uwm.edu/~whopkins/index.html)は、形式言語理論と物理(場の量子論)が似ている、つうか対応関係があると言っている。が、場のハミルトニアンとかS行列とか言われても僕にはわからない。今から物理ってのもシンドすぎるよー。でも、僕はマークに刺激されたのだけど。

一方で、アブラムスキー(http://web.comlab.ox.ac.uk/oucl/people/samson.abramsky.html)達は、高水準量子計算のために(強)コンパクト閉圏を使っている。セリンガー(http://www.mathstat.dal.ca/~selinger/)は、ダガー・コンパクト閉圏という名前を使っている。メイ(http://www.math.uchicago.edu/~may/)もほぼ同じことを別な名前で定式化している。マチマチな用語法が悩みの種だが、dualizer付き対称モノイド圏をベースに考えるのがいいと思う。dualが星で、共役(随伴)がダガーだ。ダガーはidentity-on-objectsなantipodal関手。

ところでメイは、コンパクト閉圏(略記しようとすると、CCCになるのが困りもの! KCCにすっか?)とかダガーKCCを、アティヤの公理的TQFTの文脈で論じてるのだよね。つまり、また物理に戻った。マーク、正しそう。

アティヤのTQFT公理(深谷さんの本にも載っている)は、一種の関手の公理で、定義域はコボルディズム圏になっている。なお、抽象コボルディズムに関してはトム・ウェストン(http://www.math.umass.edu/~weston/)が整理している。"Bicategories of processes" 1995 とかでも何故かコボルディズムが出てくる。そういうことは、http://www.chimaira.org/docs/FLT-Questions.htmに書いておいたことだ。

TQFTの場合は、値の圏は複素ヒルベルト空間からなるダガーKCCになる。遷移系(オートマトン、トランスデューサー、etc.)の圏では、値はたぶん“振る舞い”の圏なのだろう。振る舞いは関係または行列として定式化されると思う。振る舞いは計算できないといけない。その計算は線形のほうが都合がいいだろう、たぶん。計算対象はKleene的な量、ウォルフラム・カール(http://www.cas.mcmaster.ca/~kahl/)のクリーネ圏とかが役に立ちそう。クリーネ圏とトレースSMS(SMC=対称モノイド圏)、あるいはKCCとかの関係がもう少しはっきりすればいいのだが。

あー、それと、遷移系の圏てのは、双圏、2-圏になるから、少なくとも2-dimensionalな定式化じゃないとダメだろう。