演繹付きインスティチューション
演繹付きインスティチューション〈institution with deduction〉を定義する。
普通のインスティチューションに、指標Σごとの演繹性判断〈deducibility judgement〉|-Σが付いている。
- |-Σは、Pow(Sen[Σ])とSen[Σ]のあいだの(二項)関係
演繹性判断は、次の公理を満たす。
- {a} |- a 反射性
- A |- a, A⊆B ならば B |- a 単調性
- Ai |- ai ならば、∪({ai}|i∈I) |- b ならば、∪(Ai|i∈I) |- b 推移性
A⊆Sen[Σ]に対して、モデルMod[Σ]の部分圏 (Mod[Σ] s.t. A) を次のように定義する。
- すべてのa∈Aに対して X |= a であるような対象Xの全体を |Mod[Σ] s.t. A| として、この対象類から誘導される充満部分圏を(Mod[Σ] s.t. A)とする。
帰結性判断〈consequence judgement〉 A |⇒ a を次にように定義する。
- (A |⇒ a) iff (すべての X∈|Mod[Σ] s.t. A| に対して、X |= a)
演繹付きインスティチューションにおいて、|-Σ が健全であることは、次のように定義される。
- A |- a ならば、A |⇒ a
インスティチューションにもともと付いていある充足性判断〈satisfaction judgement〉、充足性判断から導かれる帰結性判断、それとは独立な演繹性判断の3つの判断のあいだの関係を考える。
健全性以外に問題となる性質は、
- 適切性〈adequacy〉
- 完全性(健全かつ適切)
- コンパクト性
コンパクト性は次の意味
- A |- a ならば、Aの有限部分集合A'があり、A' |- a
より強い有限性は、
- A |- a ならば、Aは有限集合
演繹付きインスティチューションとハイパードクトリンを組み合わせると、構文論と意味論の両方を扱えそうだ。ハイパードクトリンを指標の上に展開するのが最初の作業かな。