このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

3Dの身体感覚

3次元空間の(アフィン)幾何をやろうとする場合、「数式だ計算だ」という前に、3Dに対する感覚とか空間への興味というのがある程度はないとキビシイ。理屈というよりは感覚、身体能力に近いので、お勉強するもんじゃなくて鍛えるものだろう。

とりあえず飛行機の知識:

飛行機を操縦するときや、飛行機の姿勢を記述するときには、ロール角φ(ファイ)、ピッチ角θ(シータ)、ヨー角ψ(プサイ)という3つの角度を考える。その絵は:

*1

名前や記号はどうでもいいのだが、とりあえず言葉・記号がないと伝達ができないので、航空業界の言葉・記号を使って語るが; ロール角を動かす動作がローリング、ピッチ角を動かす動作がピッチング、ヨー角を動かす動作がヨーイング、次のアニメーションGIFがある。

ローリング: ローリング - Wikipedia

*2

ピッチング: ピッチング - Wikipedia
*3

ヨーイング: ヨーイング - Wikipedia
*4

角度の名前・記号を覚えたりが重要なんじゃなくて、自分が飛行機の操縦士だったら、鳥やスーパーマンだったら、あるいは水中を泳ぐ魚だったら、というようなイマジネーションが大事。地上でも、ジェットコースターだったら、走りながらロール/ピッチ/ヨーの角度が変動する。

以上の話は、操縦する場合/乗ってる立場からのこと。機種の向きとロールをどう変えるかを考えながら操縦する。飛行機を動かすだけなら飛行機の外部の座標系を気にする必要はない(実際の操縦士は気にしているだろうが)。

次は飛行機の姿勢記述。地面に対して相対的な姿勢を表現するには、外部の固定された軸と機体を比較しなくてはならない。

*5

直交座標系(x-y-z軸)の取り方や角度を測る基準線は色々ある。上の絵の飛行機の姿勢記述と、オイラー角 - Wikipediaを比較してみよう。

*6

オイラー角の絵の赤のX-Y-Z軸を飛行機に取り付けられた座標系と見ればよい。

  • Z軸 機首が正方向
  • X軸 主翼の左手が正方向
  • Y軸 機内の天井が正方向

青い座標系は、地面x-yと高度zを表すとする。

機体姿勢のヨー角はオイラー角のαで、これは機首が向いている2次元における方向で、2次元の極座標(の偏角)と同じ。機首が下向きか上向きかはピッチ角θで決まるが、θとオイラー角βでは基準線が違う。θは地面からの角度を測り、βは天に向かうz軸から測っている。

とまー、座標系の取り方や角度の測り方の基準は色々あるが、なにかひとつに決めれば、飛行機(スーパーマン、魚、ジェットコースター)の姿勢を記述したり、操縦して動かすプログラムを書いたりできる。

こういうことは、ホントに体を動かして感覚を鍛えるのが一番だけど、

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン

ソフトウェアでのシミュレーターもあるので、それを使うのもいいと思う。シミュレーターの話は次のタイミングで。

回転軸と回転方向 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 へと続く。