感覚の欠如は珍しくないが、そもそも難しいのでは
長さ(道のり)、比、面積と体積などに関して、あまり感覚を持ってない人はいる。
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数量や空間に対する基本的な感覚の欠如は意外と(本人も周りも)気付かないみたいだ。
数量感覚の欠如はそれほど珍しくないようだ。僕が知っている実例で、大人または大人に近くても(高校生くらい):
- 砂、粉、小さい粒に対する外延量(特に基数)の保存性、加法性が確立されてない。「お米の山を寄せ集めると個数が増える」と答えた。
- 数量つうより、常識的宇宙観の問題だが、太陽が月より大きいことを知らない。
- 砂糖や食塩を(一定量までなら)水に溶かせることを知らない。→ http://d.hatena.ne.jp/Kissie/20080516/1210907658
- 砂糖や食塩を溶かすと、容積も足し算だと思っている。だが、これは加法性が崩れている例で難しい。まったく容積が増えないわけでもない。取り扱い注意。
- 円周のような曲線には「長さがない」(計れないからない)と思っていた。
- 同様に、立方体、直方体以外に体積はないと思っていた。
- ペットボトルのml表記の意味を知らない。大きさの目安(大・中・小のような)だが、容積とは知らなかった。そもそも容積の概念がハッキリしてない。
- 0.3×0.3 = 0.9 と答える。
- 長方形(例:A4用紙)のアスペクト比を求めることができない。長さのデータと電卓があっても。ちなみに、A4用紙のアスペクト比を1.7と答えた。(短いほう/長いほう)を求めて1を足している。「割り算する」は記憶していて、値が1以下になってしまったので、1を足したらしい。
- 正方形の辺の長さを2倍にする(拡大)と面積も2倍だと思っている。立方体の体積も同様。方形、方体に対するイメージはない。
- 数学科の学生:「割り算の余りを引き算と大小比較だけで求める方法」を説明できない。
液体の容積の加法性は明らかではないので、扱いは難しい。粘土などの体積の保存性/加法性もイメージしにくいだろう。こね回すと体積変わりそうだし。
水とエタノールでは、容積の加法性が成立しないとか。物質・物性により、加法性が崩れれるから、「溶かす」「混ぜる」は難しいなー。質量は安全かな。
粉のような粒子の集まり、米粒の集まり、剛体球体の集まり、分子の集まりとしての液体などは、隙間があるから、体積概念が難しい。
華氏と摂氏の変換をアフィン変換の例に僕はよく使うのだが、温度って量もなんだかワカラナイものだよなー、難しい。「温度の足し算はできない」と言うけど、アフィン変換ができるのはアフィン構造を持つからで、潜在的にベクトル空間、つまり加法構造も持つ。「温度の足し算はできない」とは、温度が物質に対する関数として測度とは言えない、ってだけだろう。うーーんん、難しい。