表現(=加群)の枠組み
表現と加群は同じことだが、それを考えるために:
- アンビエント・ドクトリン: 世界となる圏の圏、2-圏構造を使うこともある
- 単対象サブドクトリン:アンビエント・ドクトリンのなかで、単対象のものだけの集まり。圏になる。
- 表現サブドクトリン:表現の舞台となる圏の集まり。圏の圏。
- 個々の表現:単対象サブドクトリンの対象をA、表現サブドクトリンの対象である圏をCとすると、アンビエント・ドクトリン内の射=関手 f:A→C がひとつの表現となる。
f:A→C をAのC-表現=C内のA-加群と呼ぶが、Aは単対象だったので、Cの対象がひとつ特定される。その対象は表現対象。次の階層がある。
- 表現の枠組み、世界
- 表現となる圏=表現圏
- ひとつの表現の土台=表現対象
「ドクトリン→圏→対象」と個別化される。
表現のドクトリンが豊饒圏の圏V-Catで与えられるとき、Vを豊饒化ベース圏、あるいは単にベース圏と呼ぶ。ベース圏でアンビエント・ドクトリンがほぼ決定されるので、ベース圏は世界の根幹だと言える。ベース圏=世界樹。
豊饒化を前提にすると、表現の枠組みは:
- 豊饒化ベース圏V
- V-Catの部分2-圏であるアンビエント・ドクトリン
- 単対象圏からなる部分ドクトリン
- 表現圏からなる部分ドクトリン=表現ドクトリン
アンビエント・ドクトリンのなかで、域が単対象で、余域が表現圏であるようなホム圏が作れる。これが表現の圏。表現圏と表現の圏では紛らわしいから、なんか用語の工夫が必要だ。
典型的な例:Kは体、Bはブール半環(否定は考えない)とする。圏の固有名詞の説明は表の後。
豊饒化ベース圏 | 表現 | 加群 |
---|---|---|
Set | モノイドの表現 | M-集合 |
PtSet | 部分モノイドの表現 | 部分M-集合(部分作用) |
Ab | 環の表現 | 環上の加群 |
AbMon | 半環の表現 | 半環上の(半)加群 |
VectK | K-多元環の表現 | K-多元環上の加群 |
VectB | 非決定性オペレータ半環の圏 | 非決定性プレオートマトン |
AとCに対する表現の圏=加群の圏 [A, C] は関手圏でありホム圏だが、「斜めホム」だと言える。斜めホムは加群圏(加群の圏ではない)である可能性が高い。
以上の枠組み内でマッカーディ流の淡中随伴(tannaka adjunction)を構成できるか?