このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

絵図的な証明とは

  • 絵素: お絵描きの基本素材
  • 絵図的操作: 絵素の組み合わせ方や絵素の変形加工法、構成的・作業的
  • 部品: 与えられた基本の絵素から絵図的な操作で作ったモノ。後で使うためにストックする。
  • 神託: 絵図的な操作で作れないものを作ってくれる神様がいるので、頼みごとをする。
  • 神託部品: 神託で得られた部品、自分では作れないモノ。
  • 構成的/超越的: 部品や作品(完成品)を作る際に、絵図的操作によればそれは構成的、神託を使えばそれは超越的。
  • 操作の部品化: 絵図的な操作を記録すると、それは部品になり、後の操作に使える。「モノと働き」を交換できる。

証明は、構成的に(絵図操作的に)作品を手で作り出す作業; また、その作業結果である作品。作業と作品は「働きとモノ」の交換により交換できる。「働き→モノ」の変換は、実演して記録すること。「モノ→働き」は、モノを取り出してその機能性を発動させること。

神託の利用場面は、自分では作れないモノを生成してもらうとき。このとき、そのモノの特性や条件をお願いに指定する。特性や条件は、制約命題だから、制約命題が付いた形でモノが生成される。あるいは、モノと制約命題が一緒になって生成される。ヒルベルトイプシロン記号がこの状況の記述にふさわしい。

  • a = εx.P(x)

P(x) はプレースホルダxを持ったモノとみなせる。モノ自体aと、そのモノの制約P(a)が一緒に登録される。例えば、g = f-1 とすると、モノgが登録され、f;g = 1, g;f = 1 に対応する2セルも登録される。

神託が神託である(超越的である)理由は、今見ている次元のなかでは目的のモノが作れないから。モノを出現させるには、1次元高い世界に対応するモノ(モノの集まり)が必要。次元が上がることが超越的であること。文字通り「次元が違う」議論となる。

コンパクト閉圏において、対象の双対を作ることは超越的だが、対象の双対と対応する命題(ニョロニョロ関係式)を認めれば、射の双対は絵図操作的/絵図運算的(pictorially calculational)に作れる。双対対象と対象ごとのニョロニョロ関係式の集まりがあれば、双対スター関手は絵図構成的な関手。

ベクトル空間で r:V→V*が同型なとき、rをリース射と呼ぶことにする。Vごとのリース射とrの可逆性条件(次元が上がる)の集まりがあれば、内積空間の圏を作れる。リース射の選択、割り当て、Vとrを組み合わせなどは神託に頼るが、それがあれば、内積空間の議論は絵図構成的にできる。

なにが絵図構成的(絵図運算的、絵図操作的)か、どこで神託が必要になるかを見極める必要がある。

それと、厳密等号の導入をどこでするかが非常に重要。同型や同値だと、1つ上の次元に同型性、同値性を記述する命題が必要で、次元が上がる議論を断ち切ることができない。厳密等号の導入は、次元上昇を打ち切るために必要だ。