Globular探り 15:Theoremはミスリーディング
Globular探り 10:定理と証明 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編で「定理と証明」の話をしたけど、あれは伝統的な「定理と証明」の枠組みに依拠している。ほんとのところ、Globular内では伝統的な「定理と証明」なんてありゃしない。伝統的な概念に慣れている僕らが、そう「みなしたい」という慣習的な欲望があるだけ。
有り体の事実とは、n-セル、(n+1)-セル、(n+2)-セル、…… があり、可逆セルにマークがされているだけ。「記号、項、論理式、定義、命題、定理、証明」なんて区別があるわけではない!
コマンド名がTheoremなのがミスリーディングなのだ。変なバイアスが生じる。Register(登録)とかのほうが誤解を防げたろう。
Theoremコマンドが何をするかというと、2つのセルをセルパレット(正式名称は「指標」だが、これも分かりにくい)に登録する。
- 現在のn-ダイアグラム(ビュー領域に表示されている図形)と同じプロファイルを持つn-セル
- 上記の新規登録されたn-セルと、n-ダイアグラムを結ぶ可逆な(n+1)-セル。
バイアスがないニュートラルな言葉として、最初のセルを(n-ダイアグラムの)サロゲートセル、二番目のセルを(n-ダイアグラムの)リライターセルと呼ぶことにする。
Theoremコマンドがなくても同じことは手動で出来る。
- 事前に、作る予定のn-ダイアグラムと同じプロファイルのn-セルを作ってパレットに置く。これがサロゲート。
- 今登録したセルをソースにする。
- 目的のn-ダイアグラムを構築(build up)する。
- n-ダイアグラムをターゲットにする。
- (n+1)-セルが登録される。
- 可逆指定をする。これでリライターができる。