このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

絡み紐の圏

ムービー変形 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 で挙げた Moving Knots and Knotted Surfaces http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.49.4021&rep=rep1&type=pdf は非常に良い解説で、3次元の結び目とその2次元表現である結び目図(knot diagram)について書いている。ピースに分けて離散化/記号化するところも手際よい解説。

この論説を参考にすると、絡み紐の圏はすぐに構成できる。

組み紐(ブレイド)の場合は、ストランド(紐)は一方向にだけ流れて逆流できないが、絡み紐では逆行を許す。対象は自然数で、生成元は

  1. | :1→1直線分
  2. ∪:2→0
  3. ∩:0→2
  4. X:2→2
  5. X':2→2 Xと逆の交差

結合とモノイド積(点の足し算)で自由生成して、公理(等式)で関係を入れる。

  1. ライデマイスターI (| ∩);(X |);(| ∪) = I
  2. ライデマイスターII X;X' = I I
  3. ライデマイスターIII ( X I);(| X );( X' I) = (I X');( X |);(I X )
  4. Ψ 割愛
  5. ニョロニョロ(ライデマイスター0) 割愛
ライデマイスター|||

( X  I)
(|  X )
( X' I) 

(I X')
( X |)
(I X )

できた圏をCとすると:

  • 結び目の全体は C(0, 0) 結合とモノイド積は一致して直和となる。
  • 絡み目の全体は C(1, 1) 結合は紐の接合。

結び目図/組み紐図の一般化として、平面矩形に絡み紐図を描ける。