γアノテーション(ガンマ項)の構文的な特徴
γアノテーションは、束縛子や限量子と似た構文で、γ記号の後に変数を伴いスコープを持つ。γにくっついている変数をγ変数と呼ぶことにする。
γアノテーションに変数の束縛作用はなくて、γアノテートされた項(スコープ内部)でγ変数は自由のままである。したがって、γ変数はリネーム作用(アルファ変換)の影響を受ける。リネームに関してγ変数は単なる自由変数だが、置換に対しては特殊な働きをする。
- γ変数を置換できるのはラムダ抽象の形をした項に限る
- γ変数を通常の単純置換で置換することはできない。γ置換を使う。
∀や∃では、vacuous quantificationってのがあるけど、γアノテーションがvacuousのときは、アノテーション自体を削除してもよい。つまりは、γ変数が自由に出現してない項に対するγアノテーションは無視される。γアノテーションが、特殊な置換を指示するマーカーであることを考えると当たり前だ。
γアノテーションは構文的な方便であって、意味はあくまでも指数関手(累乗関手というほうが適切か)。