パラメータの嘘
パラメトリックモデルとは、パラメータ空間Θから分布の空間Dist(V)への写像 M:Θ→Dist(V)で与えられて、Mが単射の(識別可能性を持つ)ときを言う。微分構造を考えるなら、Mがどの点でも非特異(微分が退化しない)とする。
こういう定義なのだが、実際にはパラメトリックモデルじゃないのに、あたかもパラメトリックモデルのように扱うときがある。Dist(V)の部分集合(多様体かどうかは不明)Mがあって、その平均μやσ2を問題にするとき、パラメトリックモデルの書き方を使うことがある。実際は、M上の汎関数としてμやσ2があり、その値を使っているだけ。
「モデルMにパラメータθがある」とは次のように考えたほうがいい。
- MはDist(V)の部分集合である。
- θは、少なくともM上では定義された、Dist(V)上の部分写像で、θ:M→Θ。
- 余域の空間Θはθごとに変わるので、固定的に考えない。