コゥゼン代数再び
http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/20100109/1263025526 で「Σコゥゼン σ-順序代数」てのを導入したが、あれは大事だ。すごく役に立つ。
公理が:
- [ジョイン演算の保存]f(..., x∪y, ...) = f(..., x, ...)∪f(..., y, ...)
- [全射性(生成性)] ∪f(1, ...,1) = 1、ただしすべてのf∈Σに関して合併をとる。fには定数記号も含まれる。
- [分離性(排他性)] f≠g ならば、f(1, ..., 1)∩g(1, ..., 1) = 0。f, gには定数記号も含まれる。
- [非退化性] 有限個のxiに関して ∧(xi ≠ 0) ならば、f(x, ..., x) ≠ 0
となっているが、∪や1という定数をやめて、別な定式化をしたほうが良さそうだ。
- [単調性]すべてのfに対して、x≦y ならば f(..., x, ...) ≦ f(..., y, ...)
- [全射性(生成性)] これは生成系の定義とする。最初からは仮定しない。
- [分離性] f(x1, ..., xn) = g(y1, ..., ym) ならば、f=g (したがって、n = m)。かつ、xi = yi。
- [非退化性] f(x, ..., x) = 0 ならば、どれかのiでxi = 0。
≦ は台となる順序集合の順序で、0は最小元。つまり、台は最小元を持つことは仮定する。fの全体は集合Σだが、これは擬積指標と呼ぶことにする。擬積(pseudo product)とは、積に似た演算だが、ほんとに積である必要はないような演算記号。上の公理は、擬積が単調非退化な演算であり、分離性を満たすことを言っている。分離性はエルブラン性と言ってもいいだろう。
Σが無限集合、つまり無限個の擬積を持つ場合が重要だ。
[追記]
Σはユーザーが指定可能(プラッガブル)な指標だが、小文字のσのほうは構文フレームワークに作り付け。σには普遍的に使う定数と演算が含まれる。
σとΣが決まると指標が固定されるので、これで代数(指標のモデル)を考えることができるようになる。固定されたσ-Σに対するモデルの圏 Mod[σ-Σ] が出来る。Mod[σ-Σ] の対象であるσ-Σ代数Aに対して、その生成系を定義できる。Bが生成系のとき、σ-Σ, B, Var(変数集合)を使って、項(あるいは多項式)の集合 Term(σ, Σ, B, Var) を定義できる。Termにイッパイ引数があるから、これを色々と変えたり固定したりすると、面白いことができる、ってわけだ。
ここらへんはまさに、エルブランやコゥゼンがやったことだよね。
[/追記]