自然性と強度
セリンガーが、トレースの公理に自然性(naturality)、強度(strength)と名付けている。なんで? と思ったが納得。
タイトニングを自然性と呼んでいるんだけど、Cはモノイド圏(積は+で書く)として、まずは次のような関手を考える。
- C(A +X, ・+X) : C → Set
- C(・+X, B +X) : Cop → Set
- C(・+X, ・+X) : Cop×C → Set
- C(A, ・) : C → Set
- C(・, B) : Cop → Set
- C(・, ・) : Cop×C → Set
すると、TrA,BX は次のような自然変換になっている。
- TrA,・X :: C(A +X, ・+X) ⇒ C(A, ・) : C → Set
- Tr・,BX :: C(・+X, B +X) ⇒ C(・, B) : Cop → Set
- Tr・,・X :: C(・+X, ・+X) ⇒ C(・, ・) : Cop×C → Set
3番目が一番一般的で、左タイトニングと右タイトニングを一緒に表現している。Xはパラメータとして残る。
次に、スーパーポージング公理の簡易版を強度公理と言っている。
- TrA+C,B+DX(f + g) = TrA,BX(f) + g
は、次のように略記できる。
- TrX(f + g) = TrX(f) + g
なるほど、うるさいことを言わなければモノイド積に関する強度になっている。ただし、強度をτとすると、
- τA,B;C,DX : TrA+C,B+DX(f + g) → TrA,BX(f) + g
と、やたらにイッパイ添字が付く。
セリンガーの定義は、アラン・ジェフリイ(Alan Jeffrey)から引用しているようだが、不思議なことにバニッシングとスライディングがない。対称に関するスライディンだけがあって、それから他のスライディングが出るらしいのだが、どうするのかサッパリわからない。
[追記]ジェフリイ/セリンガー流だと:
- 自然性(タイトニング)
- 強度(スーパーポージング)
- 対称のスライディング
- ヤンキング
の4つの公理で済む。ヤンキングを要求しないときは、トレースをフィードバックというから、フィードバック付き圏なら3つしか公理がない。
これを読めば書いてある??
[/追記]