力学系とオートマトン
s:R×X→X を連続力学系 x' = s(t, x) だとする。S⊆X が横断的とは次のことだとする。
- x∈S に対して、時間を十分短い区間(-ε, +ε)に制限すると、s(0, x)以外はSに入らない。
つまり、時刻0の付近の軌道はSと1点でしか交わらない。
横断的なS上には、「部分的に定義された決定性の離散力学系」をポアンカレ写像で定義できる; x∈S に対して、s(t, x)∈Sとなる一番最初のt > 0 を選んで、x' = s(t, x) とする。そのようなtがないときはx'は未定義だとして、部分写像 x|→x' が定義できる。この部分写像が部分的な遷移系を定義する。
f:S→S が部分的かもしれない(しかし決定性)遷移とする。Sの分割 S = Σ(i : Si) があるとする。分割の添字の集合をIとして、非決定性写像 g:I→I を次のように定義する。
- あるx∈Si に対して、f(x)∈Sj なら j∈g(i) とする。
Sの分割が、gを決定性にするなら、それはマルコフ分割となる。マルコフ分割の条件は:
- iに対して適当なjがあって、すべてのるx∈Si に対して、f(x)∈Sj。または、Si上でfがまったく未定義。
時間の空間も連続的な運動の系から、離散的な記号が出現するのは、このようなメカニズムなのだろうか?