年末年始で考えたこと:記号回路とか両側半加群とか
解析力学は案の定進んでない(苦笑)。が、年末年始でわかったこと:
トレース付き圏で、3次元的な回転を使った変形で計算できることがわかった。この計算は、コンパクト閉圏なら合理化できるがトレース付き圏だけだと合理化できない。それに、実は計算が簡単になるわけでもなく、むしろ計算過程が増えたりする。
それにもかかわらず、この計算法は直感的で面白い。計算の途中で現れる図形が珍しかったりして発見的な意味もある。
記号回路って概念は重要だと思っていた。多項式や行列の拡張になっているし、入れ子のオートマトンを考える上でも必要。カテグラフの計算にも使えるだろう。特殊な事例でいいからきちっと定式化すべきだと思った。思っただけでやってない。
半環上の半加群と、離散力学系(=リグラフ)の関係がわからなかったが、関係柱を使えば結びつけられる。
S, Tが離散状態空間として、S, Tを両端とする完全二部グラフ上にブール値の辺ウェイトを考える。これはS×T上の部分集合だから関係と同一視できるし、図形としては関係柱になる。S, T上の部分集合(=述語)の代数が係数半環となり、辺ウェイトが加群の元となる。この述語とブール値辺ウェイト=遷移=ブール値リグラフの計算がブール/クリーネ半加群の計算になる。係数半環をブール代数以外に一般化できる。
ようするに、両側半加群は二部グラフ=行列計算から出てきたわけで、一般的なリグラフの非常に特殊なケース。ブール/クリーネ圏はリグラフの圏に埋め込める。あるいは、リグラフの圏からの振る舞い関手の値が両側半加群となるべき、なのだろう。