圏の全不連結性、亜群、圏の貼り合わせ
僕がジャンクションと呼んだもの(ステファネスクは確かコネクターと呼んでいた)を定式化するのに、細かい定義や補題が要る。
圏Cが全不連結とは:
- X≠Y ならば C(X, Y)=空。
要するに、End(X) = C(X, X)にしか射がない。本質的に全不連結とは:
- C(X, Y)≠空 ならば XとYは同型。
例を挙げる。
- S(n, n) = S(n) がn次対称群として定義される対称亜群は全不連結である。
- 同様に、ブレイド亜群も全不連結である。
- 集合の双射だけを射とした圏は、本質的に全不連結である。
次に圏の自由貼り合わせを定義する。C, Dを圏として、単射写像 i:X→|C|、j:X→|D|があるとする。i, jを使って、|C|と|D|を貼り合わせることができる。新しいグラフE(圏ではない)を次のように定義する。
- |E| = (|C|と|D|の貼り合わせ)
- X, Y∈|C|, X', Y'∈|D|であり、[X}=[X']、[Y]=[Y']となっているときは、E([X], [Y]) = C(X, Y) + D(X',Y') (直和)
- その他のときは、E(X, Y) = C(X, Y) または E(X, Y) = D(X, Y)として定義する。
i, jが単射であることは落とせるし、より一般に関手X→C, X→Dを使っての貼り合わせも定義できる。
さて、Eは圏ではないが、グラフEからの自由生成圏から適切に商をとって、CとDをi, jで貼り合わせた圏を定義できる。貼り合わせた圏は普遍性によって特徴付けできると思われる。