このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

タングル仮説と2-cobord伝承

ジョン・バエズのタングル仮説というのは、すさまじい予想で、枠(法線場だと思ってよい)や向きがついた埋め込み多様体(それがタングル)のイソトピー同値類の圏が代数的/組み合わせ的に定義できるだろう、というもの。さらに、その代数構造が、弱高次圏に他ならない、と。

具体例として、余次元2の枠付き向き付き1タングルの圏が、単一の自己双対対象で生成された双対付きブレイド・モノイド圏だというシャム(Shum)の結果を挙げている。どうもそれだけでなく、自然数や整数の発生も、タングル仮説に入る気がする。

さて一方、"GENERIC COMMUTATIVE SEPARABLE ALGEBRAS AND COSPANS OF GRAPHS"(http://www.tac.mta.ca/tac/volumes/15/6/15-06.pdf)に次のフレーズがある。

(1×∇)・(Δ×1) = Δ・∇ = (∇×1)・(1 × Δ) is an axiom characteristic of 2-cobordisms.

The free symmetric monoidal category with a Frobenius algebra object is the category 2-Cobord.

2-Cobrod(むしろ1+1コボルディズム)の構造は伝承であったそうだが、次の本で伝承が真実であることを示しているらしい

  • J. Kock, Frobenius algebras and 2D topological Quantum Field Theories, Cambridge University Press, 2004.